京都大学大学院法学研究科附属 法政策共同研究センター

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長島・大野・常松法律事務所及びNO&T Data Lab株式会社との連携協定の締結について

京都大学大学院法学研究科附属法政策共同研究センター(以下「センター」)は、令和6年12月16日に、長島・大野・常松法律事務所(以下「NO&T」)及びNO&T Data Lab株式会社(以下「NO&T Deta Lab」)との間で、企業コンプライアンス等の実証的な共同研究に関する連携協定を締結しました。これにより、理論と実務との連携及び最先端の学際的研究を通じて、企業不正や組織風土のメカニズムを解明し、企業不正の予防・是正、ありたい組織風土の実現のために必要な施策の分析・開発等を目指します。
【目的】
昨今も日本企業の度重なる企業不祥事が問題となっていますが、このような事案においては、その背景に複雑かつ構造的な問題が存在するため、再発防止策として有効な手当てやその効果検証がなされていない例が散見されます。
また、近年、米国司法省をはじめとする海外の当局は、コンプライアンス・プログラムの実効性を強調し、単に組織やルールを形式的に整えるだけではなく、データやAI等の先端技術を用いるなどしてコンプライアンス・プログラムが組織内の不正リスクの抑止、摘発や是正のために実際に機能していることを期待するようになってきています。
このようなコンプライアンス・プログラムを開発するためには、法律学だけではなく、法と経済学、組織の経済学、行動経済学、経営学や心理学等の隣接周辺領域及びデータ分析の知見等を組み合わせることにより、企業不正や組織風土のメカニズムの解明や再発防止策との実効性等に関する実証的な学術的研究が不可欠です。
そこで、この連携協定は、センターの有する最先端の多様な学術的知見とNO&Tが有する実務的知見を統合することで、センターにおける実証的な学術研究の振興と、NO&Tにおける質の高いリーガルサービスの提供に、それぞれ資することを目的とします。

【連携の内容】
■企業不正のメカニズムの解明及び企業不正の予防・検知・調査・是正のために必要な仕組みや施策の分析・開発及びその実効性の検証等
■組織風土のメカニズムの解明及びありたい組織風土を実現するために必要な仕組みや施策の分析・開発及び、その実効性の検証等
■前各事項に関わる先端的な研究・開発及び実務を担う人材の育成
*NO&T Data Labの紹介
NO&T Data Lab は、Data-driven、Evidence-based のより質の高いアドバイスを提供するため、理論と実務の架け橋として NO&T が設立した会社です。NO&T Data Labでは、経済学、経営学、心理学等の隣接領域及びデータ分析の知見等を組み合わせることにより、コンプライアンス・プログラムの整備、組織風土の改革や関連施策の実効性検証といった企業の取り組みをサポートしていきます。