京都大学大学院法学研究科附属 法政策共同研究センター

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研究活動

センターの研究活動

「文理融合」に関する法学・政治学からの新たな共同研究モデルの提示

本センターで行おうとしているのは、「文理融合」の中でも、科学技術の発展等が社会にもたらす変化によって生じる法政策的課題を実践的に解決するという視点から、経済学・認知科学・文化人類学・工学・情報学・医学などの様々な専門領域の知見を活用した新たな法政策を提示することで、法学・政治学を基盤とする新たな「文理融合」共同研究のモデルを提示することです。

紛争の事後的解決から紛争の事前的予防への転換

法学では、伝統的に、静態的な法律の存在を前提として、その解釈により紛争を事後的に解決するという側面に研究の力点が置かれてきました。それに対し、現在では、紛争が生じないようにするために法制度を設計し、その実現を図るという法の動態的な側面の重要性が高まっています。本センターは、そのような視座の転換を図り、そのために必要となる学際的・国際的共同研究のモデルを提示することを目指しています。

最先端の法政策課題に関する研究

本センターが取り上げる研究課題「人工知能と法」「医療と法」「環境と法」「少子高齢化社会と法」は、いずれも、解決の方向性はもちろん、問題の分析と課題の設定についてもまだ検討の途上にある最先端の法政策課題です。本センターは、学際的・国際的共同研究を通じて、そのような課題に関する学術研究のモデルを提示することを目指しています。

エビデンスベースでの政策決定を行うために必要な研究手法の推進

以上のような先端的な法政策課題に対応するために必要な法制度の社会実装を実現するためには、前提となる問題に関する実証的な分析に加えて、その問題解決のための法政策を導入した場合の効果に関する合理的な分析が不可欠となります。例えば、実験心理学や文化人類学等の定量的・定性的な実証研究の成果に基づき、経済分析を利用して、法政策の社会実装がもたらす効果を分析し、最適な法政策を客観的に明らかにするという研究手法が、エビデンスベースでの政策決定を行うために必要となります。こうした研究手法に法学・政治学分野の若手研究者や学生が接することは、法学・政治学分野の将来を担う人材の育成に大きく貢献するものと期待しています。